恒等式の使い方

 中1とかにするとウケる話をします。手品みたいなものです。

 

 突然ですが2桁の整数を3つ思い浮かべてください。思い浮かべたのは 37, 41, 66 ですね。(えー、そういう体でしばらく付き合ってください。これ当たってたらそれはもう手品を超えたなにかです。) 

それに対して僕は 72, 35, 31, 6 という4つの整数を返します。「は?」と言うあなた、普通の反応です。「3つの整数に対して4つの整数返してくるのは失礼では?」というあなた、なんかごめんなさい...

 冗談はさておき実は下の式が成り立ちます。確認してみてください。

\begin{aligned}37+41+66 &= 72+35+31+6\\37^{2}+41^{2}+66^{2} &= 72^{2}+35^{2}+31^{2}+6^{2}\end{aligned}

...!?!?!?。すごくないですか?

  

 他の例でも見てみましょう。あなたが 45, 50, 73 と言えば僕は 84, 39, 34, 11 を返します。先と同じように 

\begin{aligned}45+50+73 &= 84+39+34+11\\45^{2}+50^{2}+73^{2} &= 84^{2}+39^{2}+34^{2}+11^{2}\end{aligned}

が成り立ちます。 

 以下ネタばらしです。考えたい人はまだ見ないでください。上の2つの例を眺めているとなんとなくカラクリは分かるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

\begin{aligned} (x+y)+(y+z)+(z+x) &= (x+y+z)+x+y+z\\(x+y)^{2}+(y+z)^{2}+(z+x)^{2} &= (x+y+z)^{2}+x^{2}+y^{2}+z^{2}\end{aligned}

 以上です。この式をじっと眺めていれば何をやっていたか分かるでしょう。恒等式、神々しい......

 Q.最後のそれは洒落のつもりですか?

 A.はい